長野県が「移住したい県」20年連続1位でも、暮らしが成立する場所は限られている── 茅野市・原村・富士見町、そして北杜市との決定的な違い
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- 6 日前
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移住人気の正体は「ブーム」ではなく「構造」
長野県が20年連続で選ばれている理由は明確です。
豊かな自然環境
首都圏からのアクセス
市町村ごとの多様な個性
行政による移住支援・相談体制の積み重ね
これは偶然でも一過性のブームでもありません。移住が継続する仕組みを、20年かけて作ってきた結果です。
ただし重要なのは、「移住者が増えている」ことと「移住後の暮らしが成立している」ことはまったく別の話だという点です。
次の10年は「増やす」から「選別する」フェーズへ
移住者数が増えるほど、数字には表れない問題も同時に増えていきます。
移住後の生活破綻
冬の暮らしへの不適応
区や水利、集落文化との摩擦
思っていた田舎と現実のズレ
これからの10年は、
移住者を増やす時代から
暮らしが成立する人・土地・地域が選ばれる時代
へ、確実に移行していきます。
八ヶ岳西麓は「構造が試される地域」
長野県の中でも、茅野市・原村・富士見町に広がる八ヶ岳西麓は、この選別が特に早く、はっきり表れる地域です。
理由は単純です。
標高差があり、気候の影響を受けやすい
冬の寒さ・雪が現実として存在する
区文化・水利・農地が今も暮らしに直結している
つまり、ごまかしが効かない土地なのです。
茅野市が構造的に強い理由
── 生活が「市内で完結する」
茅野市の最大の強みは、一つの市の中で暮らしがほぼ完結することです。
日常使いできるスーパーが複数ある
総合病院・専門病院が市内に揃っている
製造業・サービス業・観光業など、市内で働ける選択肢がある
鉄道・高速道路があり、通勤・通院の逃げ道がある
移住後に生活が破綻する多くの原因は、「何かあるたびに外に出なければならない構造」を抱えていることです。
茅野市は、買い物・医療・仕事を市内で回せる確率が高い。
だからこそ、移住後に現実に耐えられる人の割合が高くなります。
原村が人気を保ち続ける理由
── 茅野市に寄りかかれる距離感
原村は、
鉄道がない
商業施設は限られる
医療も多くはない
正直に言えば、原村単独では生活は完結しません。
それでも原村が選ばれ続ける理由は明確です。
茅野市まで車で20〜30分
買い物・医療・行政を茅野市で補完できる
それでいて、農地・森・集落文化は原村の密度で残っている
原村は、
「暮らしの静けさ」と「都市機能への距離」のバランスが極めて良い
という、非常に希少な位置にあります。
この「寄りかかれる先がある田舎」という構造こそが、原村の人気の正体です。
富士見町は“中間型”として成立している
富士見町は、
茅野市ほど都市的ではない
原村ほど閉じていない
高原・観光・農・暮らしが混在する地域です。
自然を楽しみながらも、現実的な生活との折り合いをつけたい人にとって、バランス型の選択肢になっています。
なぜ北杜市は同列で勧めにくいのか
同じ八ヶ岳エリアとして、山梨県北杜市と比較されることも少なくありません。
確かに北杜市は、
東京に近い
インターチェンジが都心寄り
という利点があります。
しかし構造的に見ると、決定的な違いがあります。
標高が低く、夏の暑さが逃げにくいエリアが多い
市域が広く、医療・商業が分散している
総合病院が少ない
安定した雇用の選択肢が限られる
日常使いできるスーパーが少ない
つまり、
「東京には近いが、日常生活の中身が弱い」
という構造を抱えています。
週末利用や別荘なら成立しても、定住型の暮らしでは無理が出やすい地域です。
決定的な違いは「生活の逃げ道」
整理すると、
茅野市:市内で生活が完結する
原村:茅野市に寄りかかれる
富士見町:その中間で調整できる
北杜市:どこかに必ず無理が出る
この差は、移住して数年経ったときに確実に表れます。
人気よりも「10年後」を見る
移住先を選ぶ基準は、
自然がきれいか
東京に近いか
ではありません。
本当に重要なのは、
固定費を下げられるか
冬の生活を回せるか
区文化と折り合えるか
農地や森をどう使うか
仕事と暮らしの距離は近いか
暮らしが10年、20年続く構造を持っているかどうかです。
まとめ|このニュースが示している本当の意味
長野県が20年連続で選ばれているのは、「どこでも暮らせる」からではありません。
移住者が増え、情報が溢れる時代だからこそ暮らしが成立する土地だけが残る
八ヶ岳西麓は、その現実が最も早く、最もはっきり表れる地域です。
人気やイメージではなく、現実に耐える暮らしから考えること。
それが、これからの移住に必要な視点です。


